今、私を考える(2024年10月)
中川 一晃 本願寺派布教使 福岡教区 御笠組 願應寺
今年の夏も暑かったですね。毎日毎日、テレビやラジオで各地の最高気温が報道され、その数字を聞くだけで嫌気がさしたものです。
「昨年も暑かったけど、今年はもっと暑かね。」と毎年言っているように思います。では、来年の夏はもっと暑くなるのでしょうか?想像すると寒気がします。
さて、世界的にみても温暖化が進み、その影響は人間だけではなく動植物の命や生態系にも及んでいます。その温暖化の原因と考えられているのが二酸化炭素の排出です。いまの段階では温暖化の原因がそれと断定は出来ていないそうなのですが、仮に二酸化炭素の排出によるものならば、今後ますます温暖化が進み、それこそ生きていくのが困難な状況にもなりかねません。
では、誰が今のような状況を作っているのかというと私たち一人一人です。便利さや豊かさを求めるあまりに自分しか見えず、知らず知らずのうちに大地や空気、水を汚し、オゾン層に穴を開け、お互いが生きていけないような環境にしてしまっているのです。自分さえよければと求め続け他を傷つけ自分までも傷つけている、その様に気づけない姿を仏教では無明(迷い)といいます。その迷っている姿に仏の教えを通して少しずつ少しずつ気付かせてもらう時、自己の生き方を省み、恥じ傷むようになっていきます。そうするならば夏の暑さも、私の生き方を問うものとなっていくように思います。